11月も晦日を迎えました。拙宅のあるここ桶川の本日の天候は曇天、暖かかった昨日から10度近く気温が低く、寒いです。
さて今月最後の投稿は、ここ二週間ほど、連日ワイドショーはじめ過剰なほどの報道がなされている、同じモンゴル出身の貴ノ岩に対する日馬富士の暴行事件を取り上げます。まだ警察の事情聴取、相撲協会の面談がなされている最中の昨日、引退会見がなされましたが、命理学と風水学の観点から考察してみましょう。
先ずは命理学の観点から・・・
日馬富士は1984年4月14日生まれの33歳ですが、命式は下記のとおりです。
生年 甲子癸 偏官 正財 胎
生月 戊辰癸 比肩 正財 冠帯
生日 戊寅丙 偏印 長生
生時 不明
空亡(天中殺) 申酉
格局 正財格
調候用神 火と金
大運
0歳~ 7歳 戊辰 比肩 冠帯
7歳~17歳 己巳 劫財 建禄
17歳~27歳 庚午 食神 帝旺
27歳~37歳 辛未 傷官 衰
37歳~47歳 壬申 偏財 病 大運天中殺
47歳~57歳 癸酉 正財 死 大運天中殺
・・・
歳運
2017年 丁酉 印綬 死 天中殺
解説
日馬富士は正財格で、生真面目でコツコツ努力型の性格の持ち主です。こうした性格なのに、今回のような暴行事件を引き起こすには、アルコールの影響もあったてしょうが、相手の貴ノ岩側に、逆鱗に触れる言動がきっとあったのではないでしょうか。
日馬富士は16歳で祖国モンゴルを離れ、伊勢ケ濱部屋に入門しましたが、体重は90kgにも満たない軽量力士でした。2001年に初土俵、2004年に新入幕、2008年に大関昇進、そして28歳となる2012年に横綱昇進と、体重を増やしながらコツコツと努力して11年をかけ、見事最上位まで上り詰めたのです。
大運が切り替わる節目の17歳前後で祖国を離れて入門し初土俵、同じく節目の27歳を迎えてすぐに横綱昇進と、見事に転換期を飛躍期にしていることがわかります。そして7歳から37歳までの30年間は、十二運が建禄、帝旺、衰と旺運にあり、大運地支も巳午未の南方火運にあって調候され、17歳から37歳の20年間は金性の庚辛が巡り、天地ともに調候されています。努力次第で青年期に功名を得る宿命ということですが、見事に大輪の花を咲かせたと言えるでしょう。
37歳から57歳までの20年間は、大運地支として申酉が巡る大運天中殺期です。これについては、風水学的な観点での考察のあとに取り上げたいと思います。
歳運を見ると、昨年今年と空亡(天中殺)の二年間にあります。歳運の天中殺期間というものは、物事が実体化しない期間で、良かれと思って行っても、思ったような結果や反応が返ってこない期間なのです。そして傷官運の大運期間にあるため、人間関係での天中殺現象が起こりやすいのです。ましてや相性の良くない相手とは、よくよく注意が必要だったのです。
相手の貴ノ岩は、1990年2月26日生まれの27歳ですが、命式は次のとおりです。
生年 庚午丁 偏印 正財 胎
生月 戊寅甲 偏官 食神 病
生日 壬戌戊 偏官 冠帯
生時 不明
格局 三合正財格
(他は省略)
日馬富士との生年月日の干支関係は、生年同士が甲子×庚午、日馬富士の生月と貴ノ岩の生日が戊辰×壬戌で、ふたつも天戦地冲関係があるのです!さらに生日干は戊×壬で、相性はよくありません!
事件はモンゴル力士の会における宴席で起こったようですが、白鵬が話をしているときの貴ノ岩の態度に立腹し、おそらく最初は言葉で注意をしたのでしょうが、それに対する貴ノ岩の言動が、生真面目な正財格である日馬富士の逆鱗に触れ、暴行に至ったのではないでしょうか。
以上、命理学の観点から見ると、
・傷官運の大運期での歳運天中殺期間
・貴ノ岩との相性の悪さ
という二点が、今回の事件の要因としてあげることができます。実は大運天中殺期間に入る5年前であったということも鍵になるのですが、後述させていただきます。
しかし宿命的な要因だけでは、今回のような大事件が起こった要因としては足りません。長年中国五術に携わる中、宿命的要因と環境的すなわち風水的要因が重なることにより、物事の吉凶が現象化するのだと実感させられてきました。
それでは風水学的な観点から考察してみましょう。
下画像は、日馬富士が所属する伊勢ヶ濱部屋を中心としたgoogle衛星画像に、方位盤や文字等を入れて加工したものです。
伊勢ヶ濱部屋は東京都江東区毛利にありますが、2009年に近代的な伊勢ヶ濱ビルとして新築されました。
三元九運は第8運、坐向は卯山酉向で、玄空宅運盤は右図です。坐となる東には高層ビルがデンと構え、しっかりと坐を守護しています。氣口である玄関には最旺の8(八白)が進入しており、新築後、横綱と大関(照ノ富士)が一名ずつ、他に関取4名を生み出し、最盛期を迎えていました。
しかし今年2017年丁酉年は、坐である東に歳破と三煞が回座しており、重要行事や改築、動土はタブーの一年で、犯すと災厄を招くため、要注意の一年です。そうした行事を行っていないとしても、相撲部屋の場合は、大きな力士が四股を踏むたびに地面に震動が走り、鉄砲で柱を手で突くたびに建物に震動が走るため、歳破と三煞を刺激するのです。ですから今年は、本場所はもちろん、稽古時、そしてふだんの生活においても、言動に細心の注意を払い、決して感情的にならないように自戒して過ごすべき一年だったのです。
傷官運の大運期と歳運天中殺期にあったという命理学的要因に、歳破と三煞という風水学的要因が相俟って、日本国内はもちろん、世界を騒がせた暴行事件になってしまったわけです。
さて、命理学での考察にて、後述すると約束した大運天中殺について、最後にとりあげます。
大運天中殺期間は、それまでの宿命的な人生の枠組が取り除かれ、それまでの人生が嘘のように開運発福する人もいれば、逆にそれまであった地位名誉財産を失ってしまう人もいるという、ドラマチックな期間なのです。前者になるか後者になるかは、大運天中殺に入る前の5年間で決まるとされ、くしくも今年33歳の日馬富士は、その5年間に入ったばかりのときでした。この5年間は、自分から買ってでも苦労しなさい!さすれば大運天中殺期には、試練の後の大いなる恵みあり!!とされているのです。
日馬富士の場合は、残念ながら己が望まない早期引退という結果を招いてしまいましたが、この不名誉なる引退を糧として悔い改めることができれば、もともと真摯で生真面目な方ですから、いばらの道であっても甘受して過ごすことができれば、37歳からの十数年は、開運発福するでしょう。おそらく、相撲界ではなく、商人として、あるいはモンゴルに帰国後、政治家として、活躍されるかもしれません。ぜひそうあるよう祈ります。
一方被害者である貴ノ岩関はまだまだ若く将来のある力士ですので、自分にも非があったことを悔い改め、人格的にも成長して、大関を目指して頑張ってほしいと思います。
今回の事件を通して、雨降って地が固まり、精神文化の面でも、世界に誇れる日本の国技となるよう、祈るものです。
追伸)
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当方が実践にて使用している三元玄空風水をマスターするためには、易学の知識を要します。
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