前回は、なぜ氣口面にて建物向きを羅盤測定しなければならないかを、説明させていただきました。
今回は、ウメサンが実際に測定した画像をもとに、羅盤による測定法を具体的に説明させていただきます。
下記画像は、一戸建ての玄関向きを、引き戸に羅盤を押し当てて測定しているところです。
この建物は木造で、引き戸は帯磁しないアルミ製ゆえ、直接押し当てて測定しています。
しかし念のため、下画像のように、引き戸を開けても測定します。
引き戸に押し当てての測定数値とは、1度も狂いはありませんでした。
下画像は、十数度ほど向きを振る坐向変換工事におけるもので、玄関枠設定のための墨出す玄関線を決定するために、羅盤にて慎重に測定しているところです。
ここは大型商業施設内にある店舗ですが、RC構造で、玄関口のある向首面は、スチール製の枠にはめられたFIXのガラス面になっています。当然RCの鉄骨もスチールは帯磁しますので、FIXのガラス面に羅盤を押し当てての測定を、何か所か離れて行うと、数度から十数度異なってきます。
このときの坐向変換工事は、第8運最旺の八白が進入するよう、玄関位置も向首面の右端から左端近くに変え、さらに向きも十数度振りました。玄関枠も開き戸もアルミ製のものを使用しました。開き戸は、アルミ製の枠にガラスをはめたガラス戸です。
下画像は、玄関枠を取り付け、扉も入れたあと、ガラス戸に羅盤を押し当てて測定しているところです。
向首面のFIXとなっているガラスの枠自体はスチール製のため、扉を開けて玄関線で測定した数値に比べ、2~3度ほどは動きますが、目標としていた二十四山方位の範囲には、どちらもしっかりと収まりました。
以上、木造一戸建ての玄関向き測定と、RC構造において、玄関枠と扉を帯磁しないアルミ製にした場合の測定をご紹介しました。
RC構造で、かつ扉がスチール製の場合は、前回説明したように、扉に付けての測定値をもとにするのではなく、扉を開け放って、玄関線上で羅盤測定した数値をとります。
マンションの場合は、バルコニー口が向きとなることがほとんどですが、玄関扉と異なり、ガラス戸の枠だけがスチール製であるため、ガラス戸に押し当てての測定数値と、ガラス戸を開けて出入り口線上での測定数値に大きな違いがないことが多いですが、基本的にはガラス戸を開けた状態での数値を取って、ユニット向きを定めます。
以上簡潔ではありますが、羅盤による坐向測定法について説明させていただきました。
現代住宅は、一戸建てでも軽量鉄骨造りが増え、風水師としても、居住者にしても、風水環境的には受難な時代を迎えています。当然、風水の古書、原書には、記されていない建物環境になってきている今、基本理論や伝統的技法を受け継ぎながらも、時代に合った風水鑑定の技法を研鑽していく必要性を感じるこの頃です。
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