陰宅風水 開運法

~墓石背後にある卒塔婆の陰宅風水的役割~

4月も15日、ちょうど半月を終えますが、私達日本人の心を和ませてくれた桜も、関東ではすっかりと葉桜となりましたが、地上では様々な樹木と草本植物たちが次々と競うように開花し咲き誇っていて、私達に生き生きとした氣をもたらしてくれるありがたい時節になりましたね。
好陰宅地から九曲水を臨むさて今月最初の投稿は、陰宅風水についての記事となります。中国伝統の陰宅風水では、右画像のように、龍脈に乗り、背後に主山、祖山、左手には青龍砂、右手には白虎砂が守護し、前方はゆるやかに九曲する河川が流れる、龍穴砂水の吉条件を満たす吉地に建立することを良しとしますが、日本国内における限られた寺院や霊園において、そのような吉地を探し、そこにお墓を建立することは、なかなか至難の業です。
29 風水墓また、中国伝統の風水墓は、画像を見てわかるように、龍穴砂水の吉条件を満たした吉地をコンパクト化したような形状をしています。
墓石の背後の盛り土部分に棺桶が土葬され、地の陰生氣を受けるようになっています。
広い面積を持つ墓石は、前方より風に乗じてやってくる陽生氣をキャッチする役目を担っています。
かくして天地陽陰の生氣が埋葬されたご先祖の人の氣と交合し、子孫へと感応していくとされているのです!
しかし土葬ではなく火葬となり、仏教や神道はじめ各宗教宗派による墓石形態があること、そして親族の理解を得るのが難しいことなどから、こうした風水墓を建立することも、日本では困難です。
ただし例外として、中国風水思想の影響を多く受けた琉球、今日の沖縄では家型という風水墓に近い形態が多く見受けられます。
2010年にマレーシアにおいて、劉育才老師より直接、陰宅風水実習を受けてから、陽宅だけでなく陰宅風水鑑定も相当数行っておりますが、吉地とは言えない陰宅がほとんどです。
墓石の形態は昨今、洋風の一段墓や二段墓、独特にデザインされた墓など、西洋化、個性化しつつありますが、まだまだ和風の三段墓が主流です。
墓地を移転したり、墓石の形態を変えることは、実際には様々な障害があり、困難と言わざるを得ません。
そうした中、少しでもご先祖が安寧できる陰宅環境となるよう、現代そして日本の陰宅事情に合った風水アドバイスを心掛けています。
具体的な内容は、18日開講の第九期実践的風水学講座の中で講義しますが、ここでは誰しもができる簡易な対策のうち、ひとつだけご紹介させていただきます。
和風の墓地の場合、だいたい墓石の背後に卒塔婆※を立てますが、風水学的見れば、背後(風水学的に言えば坐)から墓石とその下に眠るご先祖を守護する役割があると言えます。
鎌倉霊園に行くと、華人のお墓も多く見受けることができますが、上記で紹介したような風水墓は見受けることができませんでした。しかし、さすが風水思想の入っている華人、背後が山となっていない場合は、必ずと言っていいほど墓石の背後に屏風のような石板を建てて、坐山代わりにしておりました。
坐の役割をしていない卒塔婆このようにできればベストでしょうが、難しい場合は、卒塔婆を数本並びたてて、坐山代わりにすることができます。左画像の上は、残念ながら卒塔婆の数が少なく、また横向きになってしまっているものもあり、坐の役目を果たしておりません。
坐の役割をしている卒塔婆左画像下は、十数本の卒塔婆を隙間なく整列せしめて建てられており、坐山代わりとなっています!
こうしたことは、寺院の慣習や親族の意向にも背くことなくできることですから、同調いただいた読者は、ぜひ近日墓参に行かれてみて、確認してみてください。
卒塔婆は一本二千円から五千円くらいの塔婆料にてお寺に依頼すれば作ってくださいますので、できれば十本以上となるように作り、坐となるように墓石の背後に建ててあげてください。
そうした心遣いが、必ずやご先祖の安寧に通じる徳積みとなり、ご自分たち子孫に還ってくるでしょう。

※卒塔婆…死者の供養塔や墓標として作られ,頭部に五輪形を刻み,梵字などを記した板木。卒都婆,率都婆などとも書く。語源的には釈迦仏の遺骨を収めた仏塔であるストゥーパが漢訳されたもの。(世界大百科事典より抜粋)

追伸)
本文で前述しましたが、私塾である立命塾も第九期を迎えます。前期までは、陰宅を講義するには、現代の日本においてはあまりに風水墓とは異なる墓地事情であり、また実践もまだまだであったことから、風水は陽宅のみでした。
しかし機が熟した今期から、陰宅風水も講義させていただくこととなりました。
感心ある方は、HPを参照いただけると幸甚ですm(__)m

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