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~本場中国における風水事情~

大寒を過ぎて一週間、まだまだ寒いですが、地球は公転軌道上の春分点に日に日に近づき、あと一週間もすると立春、運氣上も本格的な2014年、四緑中宮年、甲午年を迎えますね。
さて今月2回目の投稿は、掲題に記したように、風水発祥の地である中国における風水事情についてです。
ウメサンちは、生まれた時から(正確には生まれる以前から)ずっと読売新聞ですが、1/16の朝刊第6面に、中国の富裕層における風水ブームについての記事(下画像参照)があり、大変興味深く読ませていただきました。

16 読売新聞の風水記事

この記事によれば、少し古いデータですが、2005年に行われた華東師範大学のアンケート調査で、実に31,4%の人が、なんらかの信仰を持っているということです。1966~1976年に毛沢東により行われた文化大革命以降、共産党の一党独裁政権下にあるにも関わらず…。その調査から10年が経とうとしている現在は、もっと増加しているのは間違いないでしょう。取り分け企業経営者や官僚などの富裕層においては、商売繁盛を願い、寺院建築のために莫大な寄付をしたり、善行、功徳を積む人がほとんどだということです。
文化大革命では、旧思想や旧文化は封建的な悪弊として排除されましたが、その中に風水思想もありました。
先の富裕層の中には、風水師と顧問契約を結んで、自宅はもちろん、事業所を風水設計によって建築するということが、共産政権下にあっても、かなり浸透しているとのことです。
取り分け、風水発祥地のひとつである江西省三僚村には、村人の人口の1/3にあたる300人のプロの風水師がおり、活躍しているとのことです。この村は、中国の歴代風水師の中でも「救貧先生」と称されるほどの逸話を持った大風水師の楊筠松の故郷であり、楊筠松の直弟子の直系子孫とされる曽氏においては、一年の2/3は風水鑑定のために出張に出ているという繁盛ぶりだそうです。
文化大革命後、東南アジアはじめ世界に活躍の場を求めて散って行った風水師達により、今や風水は、香港、台湾はもちろん、マレーシアやシンガポール等の東南アジア圏、英国はじめ欧米諸国、そして日本にてさかんとなりましたが、発祥の地である中国本土においても、経営戦略上欠かすことのできないノウハウのひとつになってきているということは、風水師の端くれとしてうれしい限りです。
拙者も縁あって、とある中国大手企業の風水顧問の任を受けておりますが、歴史問題や領土問題でぎくしゃくした日中関係ではあっても、庶民レベルでは、風水はじめ、中国発祥の東洋五術や陽明学、朱子学などの教えを柔軟に受け入れて発展させているのが日本です。やはり日本は『〝和”を以って貴し!』とする民族だと自負して止みません。
そして今や中国本土へ逆輸入されていくべき時代にきていると感じています。こうした庶民レベルの草の根的な活動により、まだまだ長い年月が必要でしょうが、日中交流を深めていくことができるのではと、希望を感じるウメサンです。

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