10~11日に2日間、実践的四柱推命学講座を、水道橋駅近くの貸教室にて、無事催行させていただきました。
9月より開講して2ヶ月目でしたが、今回は算命学陰占の位相法を中心に学びました。四柱推命学講座に算命学の理論を取り入れるようになったのは昨年からですが、算命学に精通している奥田靖明氏の入塾がきっかけでした。
四柱推命学界の中には、算命学は生年月日の三柱六字のみでしか占断しないため、生年月日時の四柱八字より占断する四柱推命学に比べて、的中率が落ちると断言する方もいますが、拙者から見るとそうとも言えないというのが本音です。
四柱推命学の源流を探ると千三百年ほど前の唐代までは、もともとは四柱ではなく生年月日の干支を基にした三柱でしたが、九百年ほど前の宋代に、徐子平が時柱を加えた四柱八字にして理論化し、占断し始めたというのが、今日わかっている四柱推命学の沿革です。
ですから、四柱八字を基とする以前にも、鬼谷子から数えて千四百年もの期間があり、その期間を通して三柱六字を基とする算命学が理論化体系化されていなかったとは言えませんし、徐子平以降に、三柱六字を基とした算命学が、四柱推命学とは袂を分かって、独自に伝承し、発展し、理論化体系化してきたとも考えられるわけです。
実際、四柱推命学では、刑破害を軽視する傾向があり、どの主流派の書物やテキストにおいても、ごく表面的にさらっとした解説しかされていませんが、算命学では軽視はしておらず、その原理や具体的な事象と対策を、詳しく解説しており、拙者の実戦経験からしても、害をはじめ、軽視はできないことを実感しております。
また、空亡に関しては、四柱推命学においては流派によって重視する派、まったく迷信として無視する派に分かれますが、空亡(算命学では天中殺という)をとても重視する算命学では、その原理的解釈や事象に関しても、四柱推命学よりはるかに詳細で具体性があり、空亡期に対する心構えや対策もはっきりとしています。
ここで今回、四柱推命に精通しているTさんも受講下さいましたが、そのTさんがウメサンに送って下さったメールをそのままご紹介しましょう。(お名前のみTとさせていただいています。)
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楳山先生、こんばんは、
〇〇県在住のTです。
先ほど帰宅しました。
昨日と本日は、ご指導ありがとうございました。
算命学に感動いたしました。
実際、過去に八字を習っただけに目から鱗の連続でした。
どちらかというと平面的で星のバランスを重視する従来の八字では、とかく流し説明してしまうものを時間軸と次元の概念等を取り入れて、立体的にご説明いただき、極めてダイナミック(動態的)なものになったと率直に感じました。
ご説明も私個人としては、人の運命や天命を知るものですので、もっと哲学的になっても良いと思います。
これに来月行う通変星の解釈が加われば、2次元のものが、3次元、4次元とかなりの高次元の解釈となり、楽しみです。
私が八字を習いましたのは10年以上前になりますので、忘れていることも多々あり、勉強不足を痛感いたしました。
帰りの新幹線の中でこの2日間を振り返り、多くの気づきをいただきました。私の中に5つもある印星が非常に喜んでおりました。
律音持ちの私としては、1つのことを東洋占術と位置づけ、努力・精進して開運させていきたいと考えておりますので、引き続きご指導お願いいたします。
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統計学的な観点で言えば、たしかに三柱六字を基にした算命学よりも、四柱八字を基にした四柱推命学のほうが信憑性に富むと言えますし、地球上におけるあらゆる生命体が、地球の自転により変化する昼夜に合わせて生活を営んでいることを考えれば、やはり時柱(時干支)も無視できない重要な条件ですが、生年月日の干支六字のみを基にしたことにより、八字を読み解く四柱推命学ほど分派もせず、流派による占断法の違いもあまりありません。
また算命学の特徴としては、占断法を大きく陰占と陽占に分類していることです。
陰占は干支六字各々の意味、干同士の関係、支同士の関係より生ずる合・刑・冲・破・害より、その人の生まれつきの生活様式や行動様式を分析します。
陽占は日干を中心として他の二干と三支より、十大主星(四柱推命学の通変星)と十二大従星(四柱推命学の十二運星)を割り出し、それらを人体の八部位に当てはめた図(人体星図)により、その人の精神構造を分析します。
この陰占と陽占に分けて鑑定するということは、陰陽論に理に適っており、四柱推命学においても、ぜひ取り入れるべき視点であると思います。
「立命」に至るためには、「己の宿命を知り、そして受け入れる」という受動的な要件と、「己の天性を知り、それを生かして天命に生きる」という能動的要件があり、その両方を満たすことが必要であると当塾では考えています。
立命できる人生は、己のみの喜びで終わらず、関わる全ての人にその喜びは伝播されるのです。かといって立命に至るということは、言葉にするほど簡単なことではありませんが、少なくとも、干支学である四柱推命学ならびに算命学が、そのヒント、道先案内人になってくれることはまちがいないでしょう。
しかし運命学オンリーの研究と実践の限界を感じていた矢先、長年の占術朋友である橘一徳氏よりご縁をいただいた、陽明学研究家であり作家の林田明大先生主宰の勉強会「姚江の会」にも参加し、多くの気付きをいただいております。
今後、林田先生からのご教示を胸に、奥ちゃん(奥田靖明氏)はじめ塾生の皆様と実践と研究を積み重ねつつ、『八字算命学』へと昇華していくことを決意しています。
先ずは己が立命をなさねば笑い者で終わってしまいますので、敢えてこの記事を公開し、己を追い込み、『事上磨錬』に努めたいと思います。
註)事上磨錬…陽明学を理解するうえでのキーワードで、王陽明44歳のときに説いた四字熟語。大事小事に関わらず、日常生活で起こる全ての事象を通じて己を成長せしめるという意味。
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