易経とコンピューターの共通点をChatGPTに聞いてみた(その3)
「③また、易経は、古代中国の哲学や宗教と深く関連しています。 同様に、コンピューターサイエンスにおいても、哲学や人文科学が重要な役割を果たしており、哲学や人文科学の分野に関連する問題が増えています。」
でした。
哲学や宗教との関連については、易経自体が哲学書として、孔子を開祖とする儒家の経典(『易』『書』『詩』『礼』『楽』『春秋』の六経)のひとつとなっているので理解できますが、コンピューターも関連しているというのは、正直ウメサンには驚きでした。
(右画像はWikipediaより転載した孔子像)そこでネット検索して調べてみました。
筑波大学名誉教授の鬼界彰夫先生曰く
「ウィトゲンシュタイン(1889年ウィーン生まれの哲学者、1951年没)の言語哲学は現代の「コンピュータ」という概念の源泉の一つだと言って過言でありません。厳密に言うと、ウィトゲンシュタインの哲学のもとになった記号論理学の創始者は、フレーゲというドイツの数学者・哲学者です。19世紀末、思考と推論を計算化する記号論理学を独力で作った人で作った人です。フレーゲは人間が無意識に行っている推論を、完全に厳密で、計算可能な記号体系によって表現しました。それが記号論理学です。ウィトゲンシュタインの論理哲学はフレーゲが築いたその記号論理学を用い、言語と思考と世界が相互にどのように関係しているために我々は言語を用いて世界の有様を捉えられるのかを明らかにしようとしました。
こうした考えをきっかけとして、人間の思考と計算可能な記号体系の関係がさらに深く探求され、その中から、そもそも人間にとって計算とは何かという問題が立てられるようになったのが、現代のコンピュータの理論的土台である計算理論の始まりです。」
(左画像はWikipediaより転載したウィトゲンシュタイン)
実際にはフレーゲの記号論理学と、それを基にしたウィトゲンシュタインの言語哲学を学ばないと理解できたことにはなりませんが、今日のコンピューターサイエンスに対し、ウィトゲンシュタインの言語哲学が多大な影響を与えたのだということだけは、哲学・論理学が苦手だったウメサンにも理解できました。
以上3回に分けて、易経とコンピューターの共通点に対するChatGPTの回答について検証してきました。質問に対する回答を簡潔に見事まとめていると実感しました。
しかし、5/14の投稿で記しましたように、易経における数学的原理についての質問として、「六十四卦を二進数で表すとどうなるか」と問いかけると、あいまいな回答であったように、ネット上の間違った情報をも拾い上げられており、著作権問題と共に、今後の課題のひとつと感じた次第です。
追伸
ウメサンの私塾「立命塾」では、実践的易学講座を行っています。関心ございましたら、ウメサンのHPをご照覧いただけますと幸甚です。
なお10月に入ってから、カリキュラムをご案内し、募集を開始する予定です。
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