易学講座 易占

周易実占例

 先日行った易占鑑定をご紹介します。顧客の個人情報保護の為、かなり抽象的な描写となりますが、ご了承ください。
 顧客からの相談は下記の内容でした。
 易占前の状況
 イベントのため、レンタルの調度品を設置時に足の部分がはずれて倒れ破損。
 レンタル元から全額弁償せよ!との怒りの呼び出し連絡があり!(弁償額は数十万円)
 レンタル元の会社に〇日〇時に行って、話し合うことになった。
 本人としては自分にはまったく落ち度はなく、欠陥商品だったと確信があり、話がまとまらなければ、訴訟も辞さない!とのことだった。

 にて卦を立てると・・・
 本卦「澤風大過」 五爻変 之卦「雷風恒」

澤風大過⇒雷風恒

 <澤風大過の卦辞>
 上卦『兌』は沢、下卦『巽』は風を表す。巽は木も表し、木は本来水の上に浮かぶものなのに、沈んでいるということで、尋常でない形象なので、『大過』としている。
 力足らずして荷が勝っているという運勢だ。例えば細い柱で、大きな棟を支えている家のように、危険至極。一身一家にとって、まことに非常時というべきである。一軒の家でさえ借金で参りそうなのに、手を拡げて二軒の家を持ったりして、甚だしい苦境に陥る時だ。こういう時は、勇気と熱意とを以って断然正しい処置に出る覚悟が必要である。赤字経済などは思い切って早く清算整理するのがよい。一時は辛くとも後に吉を得るであろう。
 <五爻の爻辞>
 陽剛が中正を得ているが、九二と否応。そして四陽の最上位にあるため、陽気の高まりが極まり過ぎ、本来の相手(第二爻)を(九二と否応ゆえ)得ることができず、年長の女(上六)と親しむという形象。例えれば、楊柳に仇花(あだばな)が咲いたり、老女が若い夫を得るようなもので、所詮夫婦生育の功は望めない。よって咎はないが、誉もない。過ぎ去った青春は良き思い出で留め、取り戻そうとすべきではない。
 <雷風恒の卦辞>
 雷と風は常に停滞せずに活動し、相互に助長し合うので、『恒久』を象徴。 
 自分の本業を守って怠らなければ、やがて幸運になれるという運勢である。またこの時には不思議と不安が多くて、迷いやすく、動揺しやすい。しかしこの卦が出た時は、堅く平常を守り、旧来の方針なり業務なりをしっかりとこなすことに努めるべきである。精一杯怠ることなく努めることができれば、人からの信用も増し、遂には地位も向上し、出世することができるであろう。
 家庭の不和を戒め、友人との争いを戒める時である。家庭内においては、夫婦各々の任務を正しく理解して実行し、親子、兄弟、長幼の秩序をはっきりとすれば、かなりの幸福に恵まれる暗示あり。

 <解釈と助言>
 本卦の澤風大過は、まさにレンタル元との険悪で一触即発しそうな非常に危うい状況を、よく示しています。全額弁償せねば治まらないような厳しい状況ですが、どう対応すべきかは変じる五爻の爻辞がキーワードとなります。五爻の爻辞のたとえ「枯れかけた柳に仇花が咲いている。」より、レンタル元との付き合いは、老女を妻にしているようなもので希望はなく、己が正しいと思うならば、関係が切れても良いから、信念を持って欠陥商品であったことを冷静に主張すべきでしょうと助言をしました。実際顧客ご自身も、そう主張する覚悟がありました。
 之卦は結果を示していますが、雷風恒は固く本業を守っていくことを教示しています。
 よって、「感情的にならず、冷静に己の主張を伝えることにより受け入れられ、今まで通りの関係を保てるでしょう。ただし、こことの付き合いに固執すべきではありません。」と助言させていただきました。

註)卦辞、爻辞は、私の師匠である故遠藤尚里老師の『易学秘論』に依り、当塾の実践的易学講座の周易テキストとなっている。

 <結果>
 会合後、お客様からご連絡をいただきましたが、冷静に信念を持って当日の状況と欠陥商品であったことを説明することにより、弁償をすることなく済み、最後は和やかな雰囲気で会合することができたとのことでした。まさに易神の教示通りで、お客様も易のすごさに感銘されていました。
 このお客様は、業種は変えないが新たな事業展開を考えておられ、今後もご用命あらば、誠心誠意尽力させていただく所存です。

追伸)
 新春2020年1月25日(土)開講の第13期立命塾実践的易学講座募集中です。

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