風水鑑定実例 風水学 風水基本設計

三元玄空風水鑑定実例『2011年N邸新築基本設計』第一回;土地選び

三元玄空風水による風水鑑定実例『2011年N邸新築基本設計』第一回;

 1999年に脱サラして、かれこれ20年以上経ってしまいました。この間、数多くのご縁をいただき、お陰様で沢山の風水鑑定をこなしてまいりました。鑑定に関する図面や説明文書は物件ごとにファイルに入れて書棚に収納してきましたが、書棚に収まらない状態となり、電子データにしながら整理中です。
2002年から始めたホームページも、日々進化しているネット環境にそぐわなくなってきたため、昨年アプリを変えてリニューアルしました。新ホームページは、2005年から15年間続けているブログを取り込み、かなりの情報量となりました。ブログカテゴリーを整理している中、風水鑑定の実例記事が少ないことを知り、我ながら以外に感じました。もちろん個人情報ということもありましたが、せっかくの風水鑑定資料が眠ったままの状態では意味がないと実感しました。
長年実践鑑定で蓄積されたデータはかなり膨大ですが、貴重な今後の研究資料として、匿名で住所も特定できない形で徐々に公開していきたいと思います。
先ずは東京都内のN邸について取り上げます。N邸は2011年に完成した一戸建ての新築物件です。
N様はウメサンが塾頭を務める立命塾の第三期生で、ご主人と息子さんの三人家族です。2010年秋にご依頼を受け、土地探しから行いました。N様は子丑空亡です。空亡(天中殺)期は、物事が実体化しない期間ゆえ、人生における重要行事は避けるべき期間です。当然不動産購入も重要行事です。子丑の年が明けた2010年(庚寅年)を待って、いよいよ土地購入、そして待望の新居を建築することとなり、ご依頼をいただきました。
土地代、建築費含めて2,000万円の限られた予算の中、三物件ほど候補があがりました。風水上の土地選びにおいては、次の観点を考慮しなければなりません。
①巒頭(らんとう)
②土地の歴史
③周辺地域における今後数十年の開発計画の有無とその内容
④旺氣が進入する建物坐向となるかそれではひとつひとつ、詳述したいと思います。
①巒頭
巒頭とは地形や自然または人工の造形物(石、森林、河川、湖沼、建物、、電信柱等)の吉凶や影響を判断する技法を言います。中国江西省がルーツとされ、山脈を龍に例え、水(河川)の流れや穴を保護する砂(さ)の状態、それらの組み合わせを総合的な形として判断したのが原点である。地勢の実地検分を重要視する巒頭派では、羅盤は補助的なツールでしかなかったようです。
現代では龍穴砂水(りゅうけつさすい)という大規模な地形判断より、陽宅という住居・店舗・事務所等の対象となる形煞(けいさつ)に主眼が置かれています。形煞とは建物周辺環境が生む煞気のことで、T字路や袋小路に生じる槍煞、弓型の道路や河川が生む反弓路、建物などの鋭い角が生む稜角煞など様々ありますが、詳細な説明は当塾の「実践的風水学講座」に譲ることとします。
結論として、建物を建てた場合、煞氣を受けるような土地は購入すべきではありません。

②土地の歴史
土地の歴史を知ることも大変重要です。基本的に風水吉地は繁栄の氣に満ちていますので、住まいなら先祖代々、会社や店舗でも何代に渡り、何十年なかには何百年も繁栄し続けています。
下画像は、龍角散本社ビルです。今日、龍角散と言えばのど飴を思い出す方が多いでしょうが、発祥を辿るとなんと江戸時代後期まで遡り、秋田藩の御典医であった藤井玄淵氏により創製された薬が龍角散で、藤井玄淵氏が初代となります。明治維新により藩薬であった龍角散は藤井家に下賜され、1871年には現本社のある東神田豊島町(現東京都千代田区東神田)にて商いを始め、一般庶民にも販売しました。
現在の本社ビルは1991年に建築され、藤井隆太社長が八代目となられています。同じ地において150年もの長い期間、子々孫々と繁栄されているということは、間違いなく好風水地だと言えます。

龍角散本社ビル

下画像は東京都台東区浅草橋3-32-3にある中華楼です。

浅草橋の中華楼

創業は大正12年で、日本での中華料理の草分けとして今日まで90年の歴史を誇り、現在の店主は4代目の塚田素久氏です。3代目の塚田眞弘氏は風水に造詣が深く浅草にtて風水専門店「風水改運中心」も経営されています。ウメサンは2002年に運命的な出会いをさせていただき、実践的な対策風水である化煞風水を体得させていただきました。100年近くも同じ地において繁栄をし続けているのは、やはりここも、好風水地と言えるでしょう。
大地の氣が流れるのは、山の尾根伝いだけではありません。平地にも大地の氣は流れており、これを平地龍と言いますが、上記二例は、泉の如く財旺の氣が地上に溢れる地なのです。
そうした土地は当然売地にはなかなかならないものです。
それでは売地は風水的に凶地なのかというと、決してそうではありません。中には掘り出し物もあるものです。しかしそうした掘り出し物に出会うことはめったにありません。
そこで現代の土地選びでは、吉地の対極にある凶地を避けるという発想が必要となります。ウメサンの長年の経験から、次のような歴史や経緯がある土地は避けるべきです。
a.谷間(たにあい)にある土地
 山が迫っている土地の場合、谷間や谷の出口近くの扇状地などは避けるべきです。地の生氣は山の尾根伝いに流れ、これを龍脈と呼んでいることはご存知の方が多いでしょう。よって尾根と尾根の間にある谷間には地の生氣が行き渡らず、氣枯地(ケガレチ)となっていることが多いのです。
 昨今、温暖化の影響で、集中豪雨が多発していますが、谷間は土砂が崩れ、土石流が発生しやすい地が少なくありません。村落の歴史を調べ、実際過去に、土砂崩れ、土石流の災害があった地はなおさらです。実際に2014年、広島県にて集中豪雨がもたらした土石流により、90名近い犠牲者を出した天災がありました。(詳細は広島土砂災害を風水学的に考察を参照ください。)
b.事件、事故のあった土地
 いわゆる事故物件です。取り分け、殺人事件や自殺、長い間発見されない孤独死などのあった物件は、更地となっていても、無念な残留波動が土地に浸み込んでいることが多く、避けるべきです。
c.倒産、破産して売りに出された土地
 倒産した会社の物件、前居住者が破産した物件は、建物が取り壊され更地となった売地も、a.と同様に負の残留波動が土地に浸み込んでいることが多く、避けるべきです。
d.湖沼や池を埋め立てた土地
 湖沼や池は、龍神様が祀られている※1ことが多く、それを埋め立てた宅地は、当然地盤も緩く、何よりも長年信仰されていた龍神様を無下にしているようで、龍神様の怒りに触れるとは言いませんが、できれば避けたいものです。
e.墓地があった土地
 墓地だった土地を宅地にするなんてことはあり得ない!そう私も思っていました。十数年前、買いたい土地の候補地がいくつかあるのだが風水鑑定してほしいというご依頼を受け、出張鑑定しました。午後1時に最寄り駅で待ち合わせ、車で案内いただいて3つほど現地鑑定した後、お客様からもうひとつ見てもらいたいということで、案内されました。ゆるやかな坂の途中にある更地でしたが、陰の氣が強いなと感じました。
 土地の中央に立って羅盤測定をしたところ、指南針が盤面と平行にならず、傾いてしまうのです。ウメサンの羅盤は水平器の付いているタイプですが、羅盤本体は水平にして何度測定しようとしても、傾くのです。
 指南針は名称通りに磁南を指す針ですが、それだけではなく、その地の氣により、様々な反応をします。そうそう滅多にあることではありませんが、妖気や霊気のあるところでは針が生き物のようにゆっくりと動いたり、今回のように傾いたりします※2。
 依頼くださったお客様に、ここは以前、どのような使用がされた土地ですか?と尋ねたところ、「くわしいことはわからないが、売地にするために整地したところ、破損した古い墓石の一部が出てきたと聞いています。相場からすればかなり安価なのですが、やっぱりやめたほうがよいですかね。」との返答をいただきました。地方に行くと、少ない墓石がある小さな墓地を見かけますが、恐らくそうした墓地があった場所だったのではないでしょうか。もちろんウメサンの回答も、「絶対やめるべきです!」
 以上、土地そのものについて、避けるべき条件を列挙しましたが、目に見える近隣に、墓地や葬儀場、どうしても死者がでやすい救急病院などがある土地も、できるなら避けることをお薦めします。誤解していただきたくないのですが、決してそうした施設が悪いと言っているのではなく、陰の氣が強過ぎる場であるからです。またまた誤解していただきたくはないのですが、陰の氣が悪いわけではなく、強過ぎる、偏り過ぎる場は、生者の生活する場にはそぐわないのです。
 風水は生者の生活する場を陽宅、死者の生活する場を陰宅と言って分類しているとおり、生者の生活する場は、陽の氣が陰の氣より勝った場であるべきなのです。
 ご存知とは思いますが昨今になって、不動産を購入したり賃貸契約をする場合、もちろん個人情報保護内で、前居住者、前使用者のある程度の状況や移転理由などは、売り手が開示しなければならず、必ず確認してほしいです。しかしより過去のことは開示義務がないのですが、直近の居住、使用状況が最も影響があるわけで、必ず確認してほしいと強く願います。

③周辺地域における今後数十年の開発計画の有無とその内容
 ウメサンが住む地は、桶川市の中の農業調整区域で、簡単には農地転用して宅地や商業地にはできませんが、それでも移住した21年前と比べると、一車線の県道が移設されて二車線の広い道路になったり、圏央道のインターチェンジができたり、街並みの様子がかなり変わっています。郊外でそうなのですから、都市部ではなおさらでしょう。
 ウメサンは出張鑑定する場合、現状だけでなく、近い将来、近隣にて、開発計画や工事予定がないかも、依頼客に確認していただいております。出張鑑定した時点では、煞氣を生じる形煞がないとしても、道路工事や電信柱などの電気架設工事、空き地だった前面に大きな建物が建てられたりすると、生氣が進入しなくなったり、逆に煞気を受けるようになってしまったりするのです。
 ですから近い将来、できれば十数年先、二十数年先の開発計画などの有無を確認しておく必要があるのです。

④旺氣が進入する建物坐向となるか
 中国風水は実のところ多くの流派がありますが、共通しているのは陽宅三要門房灶と言って、
・門(現代では玄関)
・房(各部屋、特に寝室)
・灶(コンロはじめ火を扱う機器)
を重要視する点です。
 この中で最も重視するのは、氣口(氣の出入り口)の中でも天地人三才の氣が進入する玄関です。
 土地を選ぶ場合、敷地回りの道路や建物、電信柱などとの関係から、どの位置に玄関を設けることができるかを考慮しなければなりません。そして旺盛なる氣※3が進入するよう玄関を設定できるかが大変重要になってきます。

 次回N邸を例にして、上述した①~④のチェック項目ごとに、具体的説明したいと思います。

註)
※1 龍神様
 大地の氣を形態化した姿が龍ですが、山の尾根伝いの大地の氣の流れである龍脈上だからといって、必ず龍穴があるとは限りません。真の龍穴が龍脈の先には、必ず水(河川、湖沼など)があり、「龍は水を飲みにやって来る。」と例えられるのです。風水アイテムの代表である龍の口元に水を必ず置くのは、それが理由です。
 湖沼には龍神様が祀られていることが多いのは、まさに龍が水を飲みにやって来るからだと言えるでしょう。
※2 (社)国際・風水協会主催の理氣風水マスタークラス実践講座レポートも参照ください。
※3 旺盛なる氣
 三元九運という二十年周期を重視する玄空飛星派風水では、令星(現在司る九星、2004年~2023年は第8運で八白)のこと。向星(水星と一般的には呼ばれ、空気中に存在する陽の氣)として玄関に進入することを吉とする。

補足
 地球温暖化の影響で、温帯地域に属していた日本も、だいぶ亜熱帯化しており、過去に土石流や水の氾濫がなかった地域でも、集中豪雨による異常な増水により、河川の近い地域では多数の家屋が床上浸水するようになってきました。取り分け昨年は、同時多発的に日本各地で河川の氾濫が起こってしまいました。
 水は生命活動に不可欠な存在であり、風水的にも水は財氣をもたらす重要な要素ですが、人災とも言える近代のCO2排出により、風水理論が構築されてきた中国の清代までとは、地球環境が変化しており、平坦な地域でもハザードマップを確認して、河川の氾濫危険地帯も、住居を構えるのにふさわしくない地域として入れるべき時代になってしまったと感じます。

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