今夏、東洋書院より出版された『陽宅風水術実用大全』に続き、11/21に主婦の友社より、『決定版!化殺風水』が発行されました。
当初の予定では、先ず、巒頭風水をベースにした対策風水である『決定版!化殺風水』が先で、その後に理氣風水をベースにした『陽宅風水術実用大全』の発行という予定でした。諸事情により順番が逆となってしまったのは残念でしたが、(一社)国際・風水協会が提唱している「中国伝統的かつ対策的」風水の集大成として、二冊の陽宅風水書を、同年内に続けて出版することができたことは、大変幸甚と存します。
『決定版!化殺風水』には、屋内外環境における242にも及ぶ『殺(煞)』が紹介されていますが、下記画像にて本著の4ページをご紹介します。
(なお、本来は化殺ではなく、化煞と記すべきですが、煞は常用漢字ではないため、書籍では殺で代用されています。本ブログでは、以降「煞」を使用致します。)
現代の住環境において、こんなにも多くの殺氣(煞氣)があることに驚かれる方も多いと思いますが、全ての煞に対する対策法(化煞法)を明確に示しているのが化煞風水の特徴なのです。
煞に対する対策法、すなわち化煞法として、様々な風水アイテムが使用されるのですが、なにゆえ風水アイテムが必要なのか、疑問に思われている読者もおられると思います。この解答は(一社)国際・風水協会のコンセプトでもあり、本書のあとがきから抜粋して明記させていただきます。
日本でも「風水」という言葉が、しっかりと根付いてきたと感じます。しかしある種、イメージだけで風水を捉えている人がいまだ多く、暮らしに生かし切れていないのではないでしょうか。
風水には古くから「煞」と表現される運気を下げる作用についての定義がたくさんあります。日本ではまだまだ広く紹介されてはいませんが、住環境を脅かす悪いエネルギー「煞」について、本来の風水では系統立てて捉え、それぞれの煞氣に対して対策を講じているというわけです。
陰氣・邪氣・殺氣・妖氣といった「良くないエネルギー」は、感覚的に少し敏感な人であれば、初めて触れた瞬間にイヤな感じがするものです。そんな人手すら、時間の経過とともにこの「良くないエネルギー」に徐々に慣れてきてしまい、あまり気にならなくなっていきます。人の順応性の高さが裏目に出てしまうのです。しかし氣にならなくなったからといって悪い氣が時間とともに消えるということはなく、むしろその逆。そこに住まう動植物や住環境にマイナスエネルギーを与え続け、様々な悪影響を及ぼすように働きます。
そこで本書は、「煞」の概念を正しく知ることに特化し、化煞風水の技術と風水アイテムを使って「煞」の作用を抑えたり、転換したり、場合によっては消したり、浄化したりといった伝統的な対応策を詳細に述べてきました。
化煞風水の正式な名称は「化煞好転風水」と言います。化煞とは煞を「化かす」こと、あるいは「変化させる」ことを指します。知識を持ち、正しく対策を講じさえすれば煞氣を変化させ軽減・消滅させることができ、場合によっては煞氣を逆手に取って、好転させてしまうこともできるのです。
もっとも避けたいのは、煞のある場所で、それとは知らずに暮らしたり、働いたりし続けることです。そのうちに氣が付くと、思い通りにならないことが多発したり、「ツイテいない・・・」と思うようなことが起きるなど、自分の運氣がどんどん落ちていってしまいます。
皆さんのご近所にも、入れ替わりの激しい店舗や建物、何をやってもうまくいかない場所があることでしょう。このような場所は①陰氣・邪氣・殺氣・妖氣などがぶつかっている②氣が枯れてしまっている などの原因が考えられます。このような場所にはいつも逆風が吹いているようなもので、どんなに頑張ったとしても逆風に押し流されてしまいます。
運のいい人は、まるで追い風が吹くような良い場所に住んでいたり、そのような場所で仕事をしていたりします。頑張りや努力は報われたいものです。できれば頑張った分以上に・・・。
そこで風水師の出番がやってきます。風水師の仕事は「環境を洞察する伝統的な技術で原因を探り出し、可能な限り逆風を順風に変更するアドバイスをすること」です。
そして風水の魅力はなんと言っても「現世利益」であること。修行したり徳を積んだりすれば、来世が良くなるということではありません。風水対策をしたその場から氣の流れが変化し、そして環境が改善し、物事が良い方へと動き始めます。そのような事例は枚挙に暇がありません。
本来「煞」は恐れるに足りません。化煞風水の知識を持ち、適する風水アイテムを使って対策できれば、煞のマイナスエネルギーを改善し、幸運をつかむことは可能なのです。
風水アイテムの考え方に似ているのは漢方薬です。漢方薬は、「風邪をひいたときにこの草を煎じて飲んでみたら症状が改善した」、さらに「この草とあの草とあの動物の骨をミックスうぃて煎じたらさらに素晴らしく改善した」このような長年に渡る創意工夫の積み重ねにより発展してきました。そして風水アイテムの置き場所も、東洋医学の「経絡」と「経穴(ツボ)」の概念と同じです。
風水アイテムも長い歴史の中で、「うまくいかないとき、このようなものを玄関に置いたらうまく事が運ぶようになった」という経験を持った親が子に伝え、子が大人になった時に思い出して、同じものを置いたら困ったことを切り抜けられたので、さらに自分の子に伝えた。伝えられた子は「同じものを置く時に「鉱物と一緒に置くともっといいのでは?」と閃いて水晶も置いてみたらすごく効果的だった。それを子孫にも伝えた・・・・・・というような、長年の研究と経験が実を結び、現代の知識に統合されています。
時折風水を「占い」と混同したり、今でも「迷信」と決めつける人がいることは残念なことです。風水は人類が長い時間をかけて培ってきた知識の賜物です。具体的に運命を改善し、より良い人生や幸せな家庭を造りだす「環境整備学」なのです。と同時に天文学、地理学、気象学、統計学、心理学、建築学、成功哲学ということもできるのです。
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(一社)国際・風水協会も創立六周年を迎え、認定講座も17期を数えるようになりました。今後もこの二冊の陽宅風水本を教科書、参考書として、巒頭風水と理氣風水を総合した伝統的かつ、現代の住環境に適合する風水を伝承し、さらに住環境の多様化に対応できるよう研究開発に勤しみ、そしてそのノウハウを社会に知らしめるべく、精進していく所存です。
2008年の発起時より携わり、副理事長を仰せつかっているウメサンですが、身の引き締まる思いを新たにさせていただきました。多くの風水における原書、古典書を読み、多くの流派の門をたたき学ぶ者であれば、誰しも羅経盤のみを使用して、時間と空間により変化して止まない理氣風水に傾注し、15度(24山方位)、5,6度(64卦方位)、さらには0,94度(384爻方位)とい精緻な方位区分により、趨吉避凶をなす技法こそ風水の伝統であり真髄である!という結論に至るものです。かくいうウメサンもその一人であります。
しかし陰宅ならともかく、地上では列車や自動車が高速で走り、地下では地下鉄が縦横に走り、帯磁する鉄筋鉄骨の建物や送電線塔、携帯通信基地等が乱立し、屋内においても家電、パソコンなどの通信機器など、取り分け鉄筋鉄骨のビルやマンション内では、本来その地における磁場とは大きく異なり、中には数センチ上下左右に羅経盤を移動しただけで数度、ときには数十度磁針が振れてしまうほどの場も多くあり、数度の範囲における吉凶を示す理氣風水では対応不可能な場があまりにも多いと言うのが現状です。
20年以上風水鑑定に携わる中、こと陽宅(とくに鉄筋鉄骨造りの建物)においては、この煞に対してはこの化煞法という、明確な風水的処方箋のある化煞風水が必須であると実感しているウメサンです。
Simple is best!
そう感じてやまない今日この頃です。
ますます磁場が乱れ、風水師としては大変受難の時代を迎える中、現代住環境に即した環境整備学としての風水学の研鑽に励み続けていく決意をもって、末筆とさせていただきます。
一所懸命、至誠通天!!
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