2011年9月2日、天皇より首相はじめ各閣僚が任命を受け、野田新政権が発足しました。
今回は、野田佳彦首相の命を簡単にですが分析させていただき、また、中国をはじめとした海外メディアからはダークホースとされていた野田氏が、どうして本命視されていた海江田氏を破って、民主党代表選に勝利できたのかを、風水学の中から玄空大卦法をピックアップし、分析してみたいと思います。
先ずは野田佳彦首相の命の分析です。野田氏は1957年5月20日生まれの54歳という若さです。
下記が生年月日より割り出した命式です。(生時は不明)
生年 丁酉辛 正財 印綬 沐浴
生月 乙巳庚 傷官 偏印 絶 天乙貴人
生日 壬辰戊 偏官 墓
生時 不明
空亡 午未
大運 44歳8ヶ月~54歳8ヶ月 庚子 偏印 帝旺
歳運 2011年 辛卯 印綬 死 天乙貴人
※蔵干は、泰山流に依ります。
分析)
四柱推命学、算命学の観点から
●偏印正格、また偏ってはいるが、財官印三宝の命
偏印は算命学では龍高星と呼ばれており、理性、知性に支えられ、食欲なまでの激しい知識欲があります。いつでも新しいものを求めてやまない冒険の星でもあり、人生全般から見れば、放浪の旅人に例えることができます。
どんなに辛くても、悲しくても黙して語らず、「忍耐」と「努力」ということでは十ある通変星中のうち、最も強いとされます。ご自分の風貌から、泥にまみれても逞しく生きるドジョウに例えているのは、まさに的を得ていると言えるでしょう。
偏りがあると言えども三宝の命でもあるので、財、地位、名誉、学芸を得る暗示があります。
●日干「壬」の夏季生まれで身弱
●月柱に唯一の神殺として「天乙貴人」
神殺は、命式に一つあると効力を発揮すると言われます。野田氏の命式は身弱ですが天乙貴人を一つだけ持つため、神仏の加護、先祖の援助を受け、目上からの引き立てや良き援助者を得る暗示があります。
●生年干支と生日干支が天地徳合
●生年支-生月支が酉-巳の半会
先ず酉巳の半会ですが、巳-酉-丑の三合金局において、土性である丑が欠けた形で、正氣半会と言います。この正氣半会は、世の中の常識にとらわれない、固定観念にとらわれない思考力を持っていることを暗示しています。しかし、とかく夢や理想や希望というものが、自分の現状に比べて雄大過ぎる傾向があります。すなわち想念というものが大きいだけに、現実の行動と一致させなければ、大言壮語の印象だけが残り、周りから理解が得られない人が多いとされます。
しかし時代を変化させたり、新しい世界を形成していく大人物にはよく見られる型なのです。だから時代が変わる時こそ才能を発揮でき、まさに日本の歴史上、まれな転換期改革期ゆえ、野田氏の性情を鑑みた天が召したとも言えるでしょう。
生年と生日の天地徳合ゆえ、やや弱いですが、先祖よりの徳分のある方です。しかし別名「晦氣」とも呼ばれ、大運や歳運、月運により、合や冲が重なると、激動渦巻く運氣になる場合があります。
野田氏にとって今年(辛卯年)は、生年が天戦地冲、生日と年支が「害」となり、まさに晦氣の運氣にあります。晦氣ではありますが、今年は天乙貴人が付いており、後述する守護神が司る大運期ですし、激動渦巻く中で、天地人三才の氣が通じ(後述する玄空大卦擇日を参照)、まさに凶中に吉を得たと思われます。
●空亡午未(午未天冲殺)
算命学の観点ですと、方位で言えば南方が欠ける天冲殺となります。南方というのは、人間関係で言えば目下、子供の場所を意味し、自分の部下や子供との融合が不自然であることを意味します。
●守護神は庚辛
守護神の辛が巡り始めた44歳8ヶ月過ぎに千葉県議を辞任して新進党に入党し、翌年衆議院議員に初当選し、守護神の庚が司どる54歳8ヶ月までのぎりぎりの十年運期最後に、首相となっています。守護神のパワーを十二分に活用したと言えるでしょう。
以上より、野田佳彦新首相の人となり、特に動乱期、転換期に力を発揮するタイプであり、守護神や天乙貴人が巡る年にあたっていということがわかりましたが、それにしても、今回の民主党代表選では、海外メディアからは三番手と目され、国内においても海江田氏優勢との報道がなされていた中、決選投票にてよくぞ逆転勝利できたなあというのが、ウメサンの印象でした。
その鍵はというと、実は、天地人三才の氣を、まさに得たことなのです。
そこで、三元玄空地理における擇日法、玄空大卦擇日法により、民主党代表選の決戦投票が行われた時間を分析してみました。
場所は東京都港区にあるホテルニューオータニ、
時は、2011年8月29日、決選投票における最終演説と投票は、13時~15時の間に行われたようです。
玄空大卦擇日においては、
主事(主命)・・・中心者の生庚(生年干支)から算出される卦が持つ卦氣と卦運
坐 ・・・建物の坐卦が持つ卦氣と卦運
日主 ・・・日柱の干支から算出される卦が持つ卦氣と卦運
の三要素が吉関係になることを重視し、その場合、三方口訣を満たし、吉日時と判断できるのです。
主事
野田氏; 丁酉年 澤山咸 卦氣4 卦運9
海江田氏;己丑年 天雷無妾 卦氣9 卦運2
坐 山雷頤 卦氣6 卦運3
日課式
2011年 辛卯 風澤中孚 卦氣2 卦運3
8 月 丙申 雷水解 卦氣8 卦運4
29日 丙辰 兌為澤 卦氣4 卦運1
13時~15時 乙未 水風井 卦氣7 卦運6
分析)
先ず日課式ですが、日主を中心にした場合、卦氣は月を剋出しますが、年から剋入、時から剋入で、小吉。
坐から日主は、卦氣が合十で大吉。
主事から日主は、野田氏においては同じ卦氣で比和、海江田氏は河図数の関係でやはり吉。野田氏は卦運も合十。
主事から坐は、野田氏においては卦氣が合十で大吉、海江田氏は合十五だが剋出で小凶。
以上から、この年月日時は吉日時として使えて、日主は会場の坐と合十、また、野田氏にとっては、会場の坐とも合十の吉関係となり、三方口訣を満たしています。
こうしたときには、天象や奇跡が起こるもので、野田氏の『どじょう演説』が民主党議員の心を惹きつけ、予想を覆す逆転勝利となったのでしょう。
まさに、
天の時を得、
地の利(風水、この場合は坐と主命が合十)を生かし、
人の和を得て、
天地人三才の氣を揃えたことによる勝利だと言えるでしょう。
なお補足として、この日時は、年干と月干、日干が辛-丙の妬合となり、辛は野田氏の生年干「丁」と剋となるのを忘れたと、四柱推命学上は見ることができます。
こうして見ると、いろいろなことが重なり、今回の野田氏の民主党代表選挙の勝利に通じていることがわかります。
裏を返せば、野田氏の今までの努力がここにこのときに結集し、天地人三才の氣を引き寄せたとも言えないでしょうか。
立命を冠する私塾を運営する者としては、後者であると確信しております。
とにもかくにも、野田新首相、野田新政権の誕生、おめでとうございます。
前途多難ではあるでしょうが、ドジョウの如く、泥にまみれながらも、逞しく生き続け、日本の再生復興をもたらしてくれるよう、切に祈ります。
もちろん、政権だけに頼るのではなく、国民一人ひとり、私たちにでき得ることを、日々心がけていくことが一番肝心ですね。
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