歌手の中島美嘉さんが、両側耳管開放症の悪化で、目前に迫った10周年記念ライヴを休止し、治療に専念するため休養されましたね。
ウメサンは特別、中島美嘉さんのファンではないのですが、妖麗なまでの独特な雰囲気を醸し出しながら歌う「雪の華」など、とても印象の強い歌い手さんですね。
その中島さんが、両側耳管開放症という耳の病気で、満足に歌を歌えない状態になり、休養に入られたということです。
中島さんは1983年2月19日生まれ(生時不明)です。
簡略ではありますが、命式は次のとおりです。
生年 癸亥 壬 正財 偏財 絶
生月 甲寅 甲 偏官 偏官 長生
生日 戊寅 甲 偏官 長生
生時 不明
空亡 申酉
調候用神 火と金
守護神 丙丁
十年運 26~35歳 丁巳 印綬 建禄
年運 2010年 庚寅 食神 長生
中島さんの命式の特徴は、月支偏官ですが偏官が太過し、さらに財星が2つあるため、我が身日干はかなりの身弱で、『月支偏官の破格」です。
財星と官星が太過する場合、覇気がなく、幼少から虚弱な方が多いのですが、中島さんも、決して基礎体力は強くはなく、体調にはくれぐれも留意してほしいものです。こうした命式の方は、一般的には短命とされますが、幸い、戊-癸は火化しますので、日干戊(陽土)を生化し、また甲木と日干戊との通関神ともなるので、その憂いは心配ないでしょう。
中島さんの命式の大きな特徴はもう一つあり、年干支と日干支が天地徳合していることです。天地徳合は福徳をもたらす吉意を持ちますが、晦気とも呼ばれ、他に刑冲破害などが重なる場合は、運気が乱れやすく、身弱の場合は注意を要します。
現在中島さんは27歳ですが、丁巳の印綬運に入っています。16歳~25歳は偏印運にあり、この20年間は守護神の丙丁に守られ、さらに財官印が揃うため、芸能における活躍の暗示があるのですが、まさにそのとおりですね。
ただし今の十年運(26~35歳)は地支「巳」と生月支ないし生日支の「寅」とが『害』となっており、健康を害する暗示もあります。
流派や鑑定士により見解は異なりますが、一般的に四柱推命学では、さほど「害」の作用は重視せず、その解釈も詳解さに欠けているとウメサンは感じています。
一方算命学では、この『害』の作用を大変重視しており、その解釈も、四柱推命学と比べるととても深みがあります。
算命学においては、どの地支同士の『害』かにより、詳細な分類がなされており、中島さんの場合、26歳からの十年間は寅-巳の害となりますが、この害は、東方害と呼ばれ、肝胆の働きの低下、それに伴う諸症状の病気になりやすいのです。
今年(2010年)は庚寅年ゆえ、寅-巳の害が三重化しており、東方害が強まっていますが、中島さんの病名は「耳管開放症」です。胆と耳の病では異なるんではないかとふつう思いますよね。
ウメサンもさほど東洋医学や漢方には精通していないため、この耳慣れない病気「耳管開放症」について、調べてみました。すると漢方におけるこの病気に対する説明は次の通りでした。
「耳管開放症」は、肝鬱気滞(「かんうつきたい」と読む。※)の状態のひとつとされます。中医学においては、漢方薬の加味帰脾湯(かみきひとう)が、この耳管開放症には効くとされており、治療薬として使われていますが、加味帰脾湯(かみきひとう)は肝鬱気滞(かんうつきたい)の症状を治療する薬なのです。耳管開放症はストレスで悪化することが多いといいますが、これも肝鬱気滞(かんうつきたい)の特徴です。
※肝鬱気滞
中医学用語で、肝気欝結(かんきうっけつ)とも言う。肝の気は、体の中ではとても重要な働きをしており、その主な作用は、「疏泄作用」である。
肝の疏泄とは、
・情緒を安定させる働き
・胃腸の働きを助ける
・全身の気の流れを調節する働き
を言い、この肝気の流れが良くない状態を肝鬱気滞と呼んでいる。
この説明を読み、ウメサンは思わず「なるほどっ、やっぱり!」と声をあげるほど合点がいきました。
運命学と中医学を絡めて言えば、
「中島さんは26歳からの十年間は東方害の運気にあり、肝胆機能が低下しやすく、特に今年はその憂いが大きいが、実際にこの憂いが現実化し、肝鬱気滞の状態となり、耳管開放症としての症状に表れた。」
と解釈できるわけです。
前回のブログ記事で、ウメサンが算命学の陰占を採用している理由を、後日記事にする旨予告させていただきましたが、この事例からも、ご理解いただけるのではないかと思います。
最後に、今はじっくりと治療に専念され、しっかりと静養されて、早くまた、すばらしい歌声を聞かせてくれる日がくるよう、祈願します。
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