旅行新聞に、第3回目の風水コラムが掲載されましたので、抜粋させていただきます。
第三回「地理風水のキーワード“龍穴砂水”」その1
『尋龍点穴』
大地の気のルートである龍脈を辿っていくと、大地の生気が噴き出る龍穴というスポットを見つけ出すことができます。これを尋龍点穴と言いますが、穴と言っても鍾乳洞などのように、実際にぽっかりと穴が空いているわけではなく、「尋龍三年点穴十年」と言われ、老師(風水先生)に付いて何年も山中を歩き回り、ようやく真正なる龍穴を見つけ出すことができるのです。龍穴には、手の平の窪みのような「窩穴(かけつ)」、女性の陰部のような窪みの「鉗穴(かんけつ)」、女性の乳房のような膨らみのある「乳穴」、盛り上がっている「突穴」の4種類あります。ここでは紙面の都合上詳細な説明はできませんが、関心ある方は、『風水講義』(三浦國雄著、文春新書)を読まれるといいでしょう。
こうした龍穴上に墓地を建立することができれば、後孫の中に名声を博す傑物が誕生したり、何百年もの間後孫が栄えると言われています。朱子学の創始者「朱子」が、その母の祝氏を葬った地(図の○部分、『地理人子須知』復刻本より転載)は、福建省建陽寒泉嶺の天湖北方にあるが、まさにこの龍穴上にあります。また中国浙江省にある王陽明先祖の墓地も、まさにこの龍穴上に建立され、陽明学の創始者「王陽明」という傑物が誕生しています。
このように中国では、龍穴を探し出してそこに墓地を建立することにより、子々孫々に渡り大地の生気の恩恵を受けることができるとされ、毛沢東主席による文化大革命により、風水は迷信として排除されてしまいましたが、それ以前の中国において、時の権力者達はもちろん名家の多くはこぞって、風水師に点穴を命じてきたという隠れた歴史があるのです。
しかし、こうした尋龍点穴の隠れた歴史は中国だけでなく、実はここ日本においても、千年以上前から行われていたのです。(続く)
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